20代、30代FIREを目指す人もいます、達成した人もいると思います。若い頃にウォール街で寝ずに働いて、億円単位の年収で数年稼いで引退する、私が30歳前後に聞いた「Happy, Early Retirement」であれば憧れるのですが、息を潜めて暮らして資産残高を増やし、FIRE後も息を潜めて暮らすことを考えている20代、30代の人もいると思います。勿論、人生をどう生きるかは個人の選択なので、他人の「昭和の人」の私がとやかく言う話ではありません。働くこと、もしくは今の労働環境が非常に辛くて逃げ出すことが第一優先という人もいるでしょう。
友人と話す、旅行に行く、おいしいものを食べる、スポーツをする/見る、芸術に触れる・・・何でも良いので死ぬ前に「あーっ、若い時にこんなことしたな~、楽しかったな~。」と思える思い出があると、身体の自由が利かなくなった後でも充実して人生を終えられるのではないかと思います。「DIE WITH ZERO人生が豊かになりすぎる究極のルール」(ビル・パーキンズ)に書かれている人生観です。
私も奥さんと結婚する前の恋愛期間にドキドキしたこと、無邪気な子供達と遊んだこと、知床のカムイワッカ湯の滝に入ったこと、ニュージーランドでセスナに乗って死ぬかもしれないと思ったこと、バイクで四国一周したこと、インドネシアで3000円だと思って買った服がカード請求時に30,000円だと分かったこと。書き出すときりがありませんが、どれもこれも金は使いましたが後悔した金の使い方は殆どありません。覚えていないと言うのが正確です。
お金(金融資産)を使って、消えない思い出(無形資産)に振り替えることで人生が豊かになることは確かです。「本当は〇〇をしたかったのに、早くFIREする為に我慢せざるを得なかった」と言うのでは負の資産になって悔しさが残ります。FIREしてからも、生活を維持する為にやりたいことを我慢し続けざるを得ないのでは、「幸せ面積」をFIRE前もFIRE後も増やせず、人生トータルの「幸せ面積」が大きくなりません。使えば使うほど、人生が豊かになるとは思いません。湯水の様にお金を使ったことがないので私の実体験ではありませんが、そこそこのお金で人生を楽しめると思います。
「そんなこと言うが、今の仕事が嫌で堪らない、早くFIREしたい」と言う人もいるでしょう。榊原氏が言う、「イヤな仕事」から「イヤじゃない仕事」に移って、消えない思い出(無形資産)を作る為に少々は使えるお金を稼ぐことが「幸せ面積極大化」に繋がると思います。FIRA60が現実的で、幸せ面積極大化に繋がると思います。
こんな説教臭いこと言うのは、やはり「昭和のおっちゃん」か?